「あの仕事、難しそうだな…後でやろう」
「人間関係がめんどくさい…連絡を無視しよう」
「新しいことを始めるのは怖い…やっぱりやめておこう」
こんな風に、困難に直面すると「逃げてしまう癖」ってありませんか?
私自身、昔は極度の「逃げグセ」があり、大事な場面で回避行動を取り続けた結果、チャンスを逃し、後悔の日々を過ごしていました。
でも、心理学と自分自身の経験から逃げグセの正体を知り、少しずつ向き合うことで、人生が大きく変わったんです。
この記事では、なぜ私たちが逃げてしまうのか、そしてどうすれば少しずつその癖を克服できるのか、実践的な方法をお伝えします。
一歩ずつ前に進みたいあなたのために、心理的メカニズムと具体的な対策を徹底解説します。
なぜ私たちは逃げてしまうのか?逃げ癖の心理的メカニズム
逃げ癖の正体とは?
逃げ癖とは、困難や不安を感じる状況に直面したとき、それに向き合うのではなく回避してしまう行動パターンのことです。
先延ばし、言い訳、人間関係の回避など、さまざまな形で現れます。
実は、この「逃げる」という行動には理由があります。
それは私たちの脳が「不快な感情から自分を守ろう」としているからなんです。
例えば、Aさん(28歳)は仕事のプレゼンを任されると、「失敗したらどうしよう」という不安から資料作成を先延ばしにし、結局締め切り直前に慌てて仕上げることを繰り返していました。これは典型的な回避行動です。
逃げることで得られる「短期的な安心」の罠
逃げることで、一時的な安心や安堵を得られます。これが「逃げグセ」を強化する要因になっています。
例えば、
- 難しい仕事から逃げると→一時的な安心感
- 人間関係のトラブルを無視すると→その場の不快感からの解放
- 新しいチャレンジを避けると→失敗の恐怖から解放
でも、この「短期的な安心」は、長期的に見ると大きな代償を払うことになります。
逃げ癖がもたらす長期的なダメージ
逃げ続けることで、以下のような悪影響が生じます。
- 自己効力感の低下:「自分にはできない」という思い込みが強化される
- 成長機会の喪失:新しいスキルや経験を得るチャンスを逃す
- 後悔の蓄積:「あの時やっておけば…」という後悔が増える
- 不安の増大:逃げるたびに不安への耐性が下がり、より逃げやすくなる
私自身、大学時代に興味のあった留学プログラムに応募することから逃げたことがあります。
「英語が下手だから…」「一人で海外なんて無理…」と言い訳して。今でもあの時の決断を後悔しています。
でも、その経験があったからこそ、後の人生で同じ過ちを繰り返さないよう意識するようになりました。
自分の逃げパターンを知る|3日間の「逃げグセ観察ワーク」
逃げ癖を克服するには、まず自分がどんな時に逃げているのかを知ることが大切です。
以下の簡単なワークを3日間続けてみましょう。
Step1:逃げたくなる状況を記録する
小さなノートやスマホのメモ帳に、以下のことを記録してみましょう。
- いつ逃げたくなったか(日時、状況)
- どんな感情を感じたか(不安、恐れ、面倒くさい、など)
- 体にどんな反応が起きたか(胸が締め付けられる、息苦しい、など)
- 実際にどう行動したか(先延ばしにした、言い訳をした、など)
例えば、Bさん(34歳)は以下のように記録しました。
月曜10時、上司からの難しい依頼メールを見た時→胃がキリキリして気分が悪くなった→「後でやろう」と思って他の簡単な仕事に取り組んだ→結局その日は手をつけられなかった
Step2:あなたの「逃げパターン」を見つける
3日間記録したら、そこから自分の逃げパターンを分析しましょう。
多くの人は特定の状況や感情で逃げる傾向があります。
- 特定の人(上司、親、特定の友人)との関わりで逃げる
- 特定の作業(電話、書類作成、勉強)で逃げる
- 特定の感情(不安、怒り、罪悪感)が生じた時に逃げる
自分のパターンを知ることで、「あ、これは私の逃げグセが発動しそうな状況だ」と認識できるようになります。
逃げ癖を克服する7つの実践方法
さあ、いよいよ逃げ癖を克服するための具体的な方法をご紹介します。
一気に全部を実践する必要はありません。まずは1つか2つから始めてみましょう。
1. 小さすぎるステップから始める「マイクロステップ法」
大きな課題は小さく分割し、「絶対にできる」と思えるほど小さなステップから始めましょう。これを「マイクロステップ法」と呼びます。
例えば、
- 「1時間勉強する」→「5分だけ教科書を開く」
- 「企画書を書く」→「タイトルだけ決める」
- 「運動を始める」→「運動着に着替えるだけ」
Cさん(25歳)は英会話の勉強から逃げ続けていましたが、「1日1フレーズだけ声に出す」という小さなステップから始めたところ、3ヶ月後には30分の勉強が習慣になりました。
2. 「5分ルール」で始めるハードルを下げる
「とりあえず5分だけやってみる」というルールを設けましょう。
多くの場合、始めることが一番難しく、一度始めてしまえば続けられることが多いものです。
例えば、Dさん(41歳)は苦手な経理業務を先延ばしにしがちでしたが、「5分だけ取り組む」と決めて始めたところ、多くの場合そのまま30分以上集中して取り組めるようになりました。
3. 「失敗OK」のマインドセットを育てる
完璧主義は逃げ癖の大きな原因です。「失敗しても大丈夫」というマインドセットを意識的に育てましょう。
具体的には、
- 「練習だと思えば失敗してもOK」と自分に言い聞かせる
- 失敗した時の最悪の状況をイメージし、実は大したことないと気づく
- 尊敬する人の失敗エピソードを集める
Eさん(29歳)は新しいプロジェクトを任されるたびに不安で逃げ出したくなっていましたが、「これは練習だと思って挑戦しよう」と考えるようにしたところ、少しずつ新しいことへの恐怖が和らいできました。
4. 「逃げたい感情」と向き合う時間を作る
逃げたくなる原因の多くは、不快な感情を避けたいという欲求です。
その感情と少しずつ向き合う訓練をしましょう。
具体的には、
- 1日5分、静かな場所で「今、どんな感情を感じているか」に意識を向ける
- 不安や恐れを感じたとき、「今、不安を感じているな」と認識するだけにとどめる
- 感情を判断せず、ただ観察する習慣をつける
Fさん(33歳)は人間関係の葛藤から逃げる傾向がありましたが、毎日5分間「今の気持ち」を書き出す習慣をつけたことで、感情に振り回されず対処できるようになりました。
5. 「逃げ癖トリガー」に対する新しい反応パターンを作る
逃げたくなる状況(トリガー)に対して、新しい反応パターンを意識的に作りましょう。
例えば、
- 難しい仕事のメールが来たとき→深呼吸して「よし、挑戦しよう」と声に出す
- 人間関係のトラブルを感じたとき→「今日中に短い返信だけでもしよう」と決める
- 新しいチャレンジを前に不安になったとき→「成長のチャンス」と捉え直す
Gさん(37歳)は電話をかけることが苦手で先延ばしにしていましたが、「電話をかける前に必ず3回深呼吸する」という新しい習慣を作ったところ、少しずつ恐怖感が和らいできました。
6. 「7日間の小さな挑戦」プログラムを実践する
1週間、毎日小さな「逃げたくなること」に挑戦してみましょう。
大事なのは、無理なく続けられる小さなチャレンジを選ぶことです。
例えば、
- 1日目:5分だけ苦手な作業に取り組む
- 2日目:1人の苦手な相手にメッセージを送る
- 3日目:小さな決断を先延ばしせずにその場で行う
このように、徐々にハードルを上げていくことで、「できた!」という小さな成功体験を積み重ねられます。
7. 「成功日記」で自己効力感を高める
毎日、「逃げずにできたこと」を書き留めましょう。小さなことでも構いません。
この習慣が自己効力感(自分はできるという感覚)を高めます。
Hさん(31歳)は毎晩寝る前に「今日、逃げずにできたこと3つ」をスマホのメモに記録する習慣をつけました。
3ヶ月後、「自分はやればできる」という自信が育ち、以前は絶対に避けていた海外出張にも挑戦できるようになりました。
逃げグセとの付き合い方|完全になくすことが目標ではない
最後に大切なことをお伝えします。
逃げグセを完全になくすことが目標ではありません。
時には戦略的に「逃げる」ことも大切です。
「良い逃げ」と「悪い逃げ」を区別する
全ての「逃げ」が悪いわけではありません。例えば、
良い逃げ(戦略的撤退)の例
- 体調不良時に無理をせず休む
- 有害な人間関係から距離を取る
- リソースを集中させるために優先度の低いタスクを後回しにする
悪い逃げ(成長機会の喪失)の例
- 成長につながるチャレンジから習慣的に逃げる
- 解決すべき人間関係の問題を放置する
- 重要なタスクを恐怖から先延ばしにする
「逃げグセ」との上手な付き合い方
完璧を目指さず、「今日は昨日より少しだけ勇気を出せた」という小さな進歩を喜びましょう。
私自身、今でも時々逃げたくなります。
でも以前と違うのは、「逃げたい」と感じたとき、その感情に気づき、小さな一歩を踏み出す選択ができるようになったことです。
あなたも同じです。一歩ずつ、少しずつ、勇気を育てていきましょう。
まとめ:今日から始める逃げグセ克服への第一歩
逃げグセは誰にでもあるものです。大切なのは、それを認識し、少しずつ向き合っていくこと。
この記事で紹介した方法をぜひ試してみてください。
- 自分の逃げパターンを知る「3日間の逃げグセ観察ワーク」
- 小さすぎるステップから始める「マイクロステップ法」
- 「5分ルール」で始めるハードルを下げる
- 「失敗OK」のマインドセットを育てる
- 「逃げたい感情」と向き合う時間を作る
- 「逃げ癖トリガー」に対する新しい反応パターンを作る
- 「7日間の小さな挑戦」プログラムを実践する
そして最後に、自分に優しくあることを忘れないでください。
完璧である必要はありません。
今日、小さな一歩を踏み出したあなたは、すでに勇気ある行動を取っています。
あなたの小さな一歩が、大きな変化の始まりになりますように。
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